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第16章 未来へ

オレの中に強く気持ちが湧き上がる

アイルに…
小さな幸せを沢山降らせてやりたい

オレにできることを…何でも
毎日でも

例えアイルが望まなくても
ごく当たり前の幸せを沢山沢山降らせて
アイルに感じてほしい


こんな幸せもあるんだよ
もっともっと幸せで良いんだよ…って
アイルに知ってもらえるように


ごく当たり前の幸せが…アイルにあるように


そして…もしも
いつかアイルが何か

大きな幸せを望むことがあったら
オレが全力でそれを叶えてやりたい

そんな想いが芽生えた

こんなオレの・・・心にも




『~~ぷはっ…ハァ ハァ』


アイルがオレの胸から顔をあげた

ヤバい…締め付けちまってたか?
慌てて自分の目元を拭った


『…ごめんアイル!大丈夫か?!』

『ぅん…っ…ぁ…でも、ハァ』


アイルが少し
頭をクラ~っとさせて
スゥ~っと息をする

『わっ…ア…イル!?ごめんっ』

『ちが…リョーキ…ちがうの…』

『?』

『こ、こんなに…沢山のこと
人に話したの…初めてかも…って
さ、酸素が足りな…』

酸欠おこしかけてる…

なんかアイルらしい
笑って背中をゆっくりさすった

こんなアイルにも愛しさを感じる


『ハァ…ハ…ご…めん リョーキ』

『いい話っぷりだった。よしよし
それに…良い話だった
ありがとう・・・』



『話したのがリョウキで…よかった
きいてくてれ…ありが…と』


本当に…殆ど

もしくは誰にも
話したことがなかったんだろうな

おじいさんのことも
自分の胸の内も


『ソータさんの話は中々衝撃的だったけどな』

『ふふっ…でしょ?とっておきかも』


『…言われてみれば、すげー納得だった
あの人の生き方…みたいな
人が人を育てるってスゲーよ』

『ね…。私ソウタさんに、感謝してもしきれない。私を引き取るときも

何があっても守ってやる!
今日から俺がおじいちゃんの代わりだ!
何があっても見捨てないからこわがるな!

とかってね…』


『ふふ…ソウタさん
カッコい~な・・・ヤケる』


だけどオレは思う

ソウタさんが、ここまでアイルを
全身全霊で守ってきたのは
アイルが恩人の孫娘だから…だけじゃない

アイルだから…
このアイルって子
その人間をみたからだろう

ソウタさん…カッコよすぎるぜ
あの人も反則だ(笑)

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