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第14章 オレだけのもの

『おぅ、外暑かったろ?涼んで』


『ううん…
自転車だから風きもちぃかったよ』




アイルは伊豆での見事な大転倒で
二度と乗らないと大拒否した自転車を
あれからも練習をして




なんとっっ・・・!!






アイルは





自転車に乗れるようになったのだ!!!





(笑)







いつもと変わらないアイル…

笑顔で

なんだか楽しそうだ







あれは、やっぱオレの気のせいだったか…





大きな荷物を
両手に抱えてやってきたアイル…




食材に……ケーキの箱に・・・





・・・って










『…アイルどしたの?その荷物…』




『どうもこうも…今日は…~』






そうなんだが…






そうなんだけどよ・・・










『今日リョウキの、お誕生日でしょ?
お祝いするの』





…~満面の笑みが・・・反則なんだよ!







…じゃなくて


…なんで









『…なんで・・・知って…る?』


『…盗み見たワケじゃ…ないけど
前に探し物してテーブルの上に
免許証とか広げてたから…』




『マジか…』


『ふふっ・・・彼氏の誕生日
知らないっていうのもヘンでしょ?
…キッチン、かりるね?』





『・・・あぁ』




久々に…アイルにのまれた気がした


キッチンでせっせと下ごしらえしてる



涼しそうな薄いブルーのワンピースに

エプロン姿のアイル







エプロン・・・なんか…たまらん




(笑)




けしからんキモチで

後ろから近づいてくっついてみた





いつもみたいにきっと


アイルはあわてて・・・(笑)








きゅぅ~っと・・・アイルを抱きしめた













『……』

『…アイル?』




どこかボーーっとして

ちっとも動かないアイル






上の空ってやつだ?





『は……。あ・・・リョウキ…

いたの・・・?』







いたの?ってオイ・・・コイツは…






空回ったオレはアイルをはなす





『包丁もってボーっとして

…あぶねぇやつだな』



『ふふ…ごめん。目あけて寝ちゃった』



『金魚かっつぅーの…;』






やっぱり…なんか…ヘンだ

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