
Kissからはじめよう SO & AN
第69章 Hero3 雅紀
近くに来た虎はめちゃめちゃ大きくて
俺の頭なんて一口で飲みこまれそう
おまけに 機嫌悪そうな目つきで俺を見て
脅すように唸り声を上げた
さすがに小学生たちもまずいと思ったんだろう
「お、おい・・」
「もういいよ・・・」
と 震える声で 俺に戻ってくるように促してる
勿論俺も戻りたい
けど、足がガクガク震えて力が入らない
虎がますます近づいて来ても
一歩も動けないまま、恐怖で泣きそうだ
それを見て取った和くんが
「まーくん!」
叫びながら 必死になって柵を乗り越え
虎から守る様に 俺を抱きしめてくれた
