
Kissからはじめよう SO & AN
第64章 愛を叫べ!14 和也
のろのろと財布をしまって ドアを開けようとした時
背後から声が掛けられた
「申し訳ありません、お客様、こちらお忘れ物では?」
え・・・と振り返ると、そこには見慣れたスマホ
・・・まーくんのだ
テーブルの上には無かったはずだから 忘れたと言うより落としたのかな
でも、そんなの受け取っても 俺はまーくんに渡せない・・・
それよりもここで預かってもらった方がいい
落としたことに気づいたら、まーくんも取りに来るだろうし
頭の中ではそう考えてたのに
何故か俺は手を伸ばし、そのスマホを預かっていた
店の外に出ながら、何で俺はこんなもの預かっちゃったんだろう、って考える
