
Kissからはじめよう SO & AN
第62章 愛を叫べ!12 智
「ちょっと貸して?・・・へぇ・・・何か手に持った感じがしっくりくる辞書だね」
「うん、ちょっとページ捲ってみて?俺、この紙質も好きなんだ」
ぺらり、とページを捲るしょーくんが お、という顔になる
「紙のぬめり感がいいね」
「コレ、ぬめり感・・・って言うの?」
「うん、手に吸い付くみたいに馴染むけど 音がうるさくないよね」
さすがしょーくん、何でも知ってる
「あ、そうだ。ねぇねぇ 恋のとこ見てみて?」
ん?って俺を見たしょーくんは ぺらぺらと紙を繰り
そのページを見つけた瞳が 嬉しそうに細められる
