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えっちの経験値

第30章 一之瀬蓮の事情⑨

「千佳……」
「蓮……」

唇を重ね舌を絡めると千佳もそれに応える。

互いの名を呼び合い唇を重ねることを
幾度となく繰り返した。

その積み重ねが俺の想いを増長させる。

『好き』というにはまだ早い。

だがそれはきっと遠くはないと思う。

「蓮……そろそろ一時間経ちます……
経っちゃうけど……」

千佳を待たせたつもりはないが
結果として、こんな俺に耐えてきた。

「しばらくは敬語とタメ口がごちゃ混ぜに
なりそうだな」

疎ましかった千佳の不器用さが
こんなにも愛しく俺の目に映るなんて。

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