
ビタミン剤
第14章 day off
「はいはい
じゃあ俺ミルク作るから翔ちゃん抱っこしててね
赤ん坊のチュウなんてなんでもないよ。」
チュッ
ニノから頬にフレンチなキス
「えへへどうだ、海っうらやましいだろう」
アーイ、アーイ
べったべったのてのひらで顔中を触ってきやがる
なんつー攻撃 、これでも顔売りもんにしてる国民的アイドルだっつーの!
けど、こんなゴッコ遊びみたいな優しい時間も悪くないかもしれない。
海を抱っこしてミルクを飲ませてるニノの姿はヨーロッパの宗教画で見られるような神々しいまでの美しさと癒しを感じてしまう。
「俺もかずのミルク飲みたぁーい。」
「うるさいですよ、冷蔵庫の中にあるから勝手に飲んでてください。たしか、特濃ってやつでしたよ。」
嘲笑うように小悪魔的な視線を送ってくる
可愛いくて、優しくて
甘えん坊なくせして、素直じゃなくて
激しく厳しい突っ込みだって愛のある言葉
寂しがりやのくせに、我慢強くて
俺はこの最高にかわいいお嫁さんに毎日毎日惚れ込んでしまってる
「そうだ翔ちゃんお風呂って洗っておいたほうがいいかな?お義父さん帰ってきたら先にはいってもらったりしたほうが…」
「んーでも、おふくろがオヤジに健康の為に朝に風呂掃除してもらってるとか言ってたし、湯はりだけでいいんじゃねえかな。」
「へぇ。」
「マジで、うちずっと共働きだから基本男女平等主義だしさ。」
ミルクのあとのゲップ、弟の時もしたことなくて初めての体験だったけど、俺だってやれば出来るもんだ。海は満腹になったようで、ご機嫌でおもちゃに向かってハイハイしていく。
「俺案外、育メンになれんじゃね
っつうかさ松潤のオムツのCM次は俺に来るんじゃね?」
「さあ、どうでしょうか。」
微笑みながら、キッチンに向かうニノ。
ぎゅっと抱きしめてぶちゅーって濃厚なキスをしたいけど、今この状況でしちゃうと…歯止めがきかなくなりそうだから……我慢しろよっ俺
ん?なんだ
おもちゃ箱の前の海の動きが止まってる。
お尻がぽっこりとあがってるみたいだけど近寄ってみると、なにやら鼻に付く異臭
どっわぁァアーー!!
思わず雄叫びをあげてしまった。
