 
一途とは
第4章 ごめん。
と、山口tを眺めてるだけでは問題は分からないので
一呼吸置いてから声をかけた
「分からない…」
すると
しているマスクを顎まで下げ、まぁそうだろうという仕草で、当たり前のようにパイプ椅子に座ったまま後ろの白板に解説を書き始めた
「えー…シグマの上はこうであるからこう……よって………」
説明してもらったが、とても分からず、2回も説明を聞いた。
が、分からず
山口tもイライラしだし、今まで少しずつ分かっていた部分もパニックを起こし、分からなくなっていた
「はぁ?…何言ってんの??!…さっきも言ったよね」
目を見開き、マスクを下にずらしたり元に戻したりを繰り返しやっている
怒るので、少しずつずれてしまうのだろう
私はパニックになっていた
手先や爪先、体全体が冷たくなって冷や汗をかいていた
夏だというのに
「……え……だから…これだから…こうなんじゃないの……?…」
なんとか思いきって言ったが
「そこさっきも言った!
何度同じこと言わせるの??!!」
と、跳ね返される
言葉も「え……」としか出ない
ついに、山口tは目を閉じながら呆れたという感じで、溜め息をつき「もう一度一から説明します」と説明した
それでも分からなかった。
呆れ果てた山口tはこちらをまっすぐ見て、真剣に
「もうぶん殴るよ?」
と言った
これは、冗談だろう…と不安気に
「こわいこわいこわい」
と、笑って言うと
山口tも笑い出した
1つの安心が生まれた
 
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