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Perfect Romance

第6章 言えないキモチ



今日は助けてくれる大ちゃんも翔ちゃんもいない

にのは潤んだ瞳と、締まりのなくなった唇で俺をジーッと見つめてくる

「あいばしゃん、これおいしーよ?」
焼鳥を持って、口を開けろと言わんばかりに俺の目の前にに差し出して

「はい、どーぞ?」
小首を傾げてにっこり

「あ、ありがとね…」
逃げる訳にも行かず、俺は素直に口を開けて
焼鳥にかじりついた

「ね?おいしーよね❤」
なんて言って、食べ掛けのそれをにのがかじる


…間接キス?

これだけでドキドキするとか
俺は中学生かっ

何かもう、本気でヤバい
このままここにいたら、公衆の面前って事も忘れて押し倒しそうだ

キスだってしてないのに
マジで洒落にならない


「にの!…行くよっ」
残ったビールをにのに飲まれる前に、俺が全部飲んで

ゲフゲフしながらも、どさくさ紛れににのの手を握って会場を後にした

「あーばしゃん?どしたの?見ないの?」
引かれるままについてくるにのが、転ばないように注意しながらも
足は止めずに歩く


握った手が熱い
そして
…柔らかかった


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