
Perfect Romance
第14章 今日だけはライバル
「二宮くん、ここ座って」
女子社員の先輩に呼ばれ、パイプ椅子に腰掛けると
あっという間にタオルを肩にかけられ
前髪をピンで留められた
そして
「可愛くなるからね~」
…これまた嬉しくない言葉
「目は開けちゃダメよ」の声に従えば
何やら顔に次々と塗ったくっていく感触
これなら被り物とか、それこそ櫻井さんみたいな亀仙人が良かった…
だって二人三脚の時も、借り物の時も
…何かおぞましい雰囲気ビシバシ感じた
あの状況の後にコレって
完全に俺はソッチ向けになってる気がして仕方ない
「さ、最後にこれ付けて」
ポスッと頭から何か被せられる
云わずもがな、カツラなのはすぐに察した
被せられたそれを手櫛で直され「はい、オッケー」と、肩を叩かれる
おそるおそる目を開けて、目の前にある鏡を見て……
「二宮ぁ、やっぱ可愛い!」
櫻井さんが視界に入った途端、後ろから抱き着いてきた
「うわっ!」
「俺の目に狂いはなかった」
…いらないから!
そのドヤ顔
