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修練の鏡と精霊の大地

第3章 冒険の旅へ

<かまへんから、これ食べ>


「えぇっ……なんかよくわからんけど」


 球也はその葉っぱを口に入れた。


 純化は広げた両手に精霊をのせ、精霊は火の玉を放つ。だが、徐々に威力が弱まってきた。


「えぇっ!! ちょっと、頑張ってよ」


 純化は火の精霊に声をかける。だが、まとっている炎が、小さくなってくる。


 トカゲは熱そうにはしていたが、それほどのダメージは無かったようだ。



<お姉さん、うちら精霊にも使える力のエネルギーがおまんねん。それが少なくなったら力も出まへん>


「えぇっ!! そんな、どうしたらいいんよ」


<あんさんが戦いなはれ>


「ウッソーーッ!!」


 ついには精霊の炎が途絶え、また石に戻っていった。


「いやぁーっ!! あんた、勢いだけで弱すぎるやん!!」両手に赤い石をのせたまま純化はひざまずく。


<あんさんの背中に背負ってんの、勇者の杖でっしゃろ!! 戦えますやん!!>


 純化は石をしまうと、背中の杖を手に取った。


「食べられたらどうしよ……」


 純化はガタガタと震え、涙を流しながら杖をかまえる。



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