
修練の鏡と精霊の大地
第17章 村
「神よ……仏よ……生まれ変わったら、私は人間になりとうございます」
さらに揺れは強くなり足下がぐらつき、自分の意思に関係なく、体が前に傾いた。
「!」
いよいよだ。
ペタロはそうおもった。
だが、急に胸元あたりに軽い圧迫を感じた。
体が後ろに引かれ、背中には柔らかな感触と、温もりがある。
「ダメ!!」
ペタロの後ろには、純化がいた。
とっさに地割れを飛び越え、ペタロを止めにきたのだ。
「じゅ……純化さん!?」
「アカンよ、アカン……」
純化は膝をつき、ペタロの体を支える。やがて、思いが高まったのか、心の内を語りはじめた。
「うちは、願い叶っても、人間の世界には戻られへんねん。うちは妖精やったお母さんが亡くなる前に、お父さんが人間やって聞いて、会いにいくために人間の世界に出てきた。けど、お父さんははるか昔に亡くなってて、そのままうちは10年ほど人間の世界で、一人で暮らしてた。自分が人間と妖精の間に生まれたってことを隠してずっと生きてきた。あるおじいさんから、修練の鏡のことを聞いたとき、これやと思った。生きていくために占い師になるためと、人間になるために、運命を預けにきた。ペタロさん、うち、あんたにおうて、この人なら家族になれる思た。このままでいいやん。うちらと一緒にやってこうよ」
純化はペタロの背中に、頬を当てる。
ペタロの腕が下がってきた。
「純化さん……私はこんな身でありながら、あなたのことが好きになっていました。ですが、あなたは球也さん達と一緒に、神を滅ぼすための旅をしていました。邪魔はしてはいけないと、この気持ちをずっと、内に閉じ込めたままでした……」
ペタロは、思いきって、純化に対する気持ちを打ち明けた。
さらに揺れは強くなり足下がぐらつき、自分の意思に関係なく、体が前に傾いた。
「!」
いよいよだ。
ペタロはそうおもった。
だが、急に胸元あたりに軽い圧迫を感じた。
体が後ろに引かれ、背中には柔らかな感触と、温もりがある。
「ダメ!!」
ペタロの後ろには、純化がいた。
とっさに地割れを飛び越え、ペタロを止めにきたのだ。
「じゅ……純化さん!?」
「アカンよ、アカン……」
純化は膝をつき、ペタロの体を支える。やがて、思いが高まったのか、心の内を語りはじめた。
「うちは、願い叶っても、人間の世界には戻られへんねん。うちは妖精やったお母さんが亡くなる前に、お父さんが人間やって聞いて、会いにいくために人間の世界に出てきた。けど、お父さんははるか昔に亡くなってて、そのままうちは10年ほど人間の世界で、一人で暮らしてた。自分が人間と妖精の間に生まれたってことを隠してずっと生きてきた。あるおじいさんから、修練の鏡のことを聞いたとき、これやと思った。生きていくために占い師になるためと、人間になるために、運命を預けにきた。ペタロさん、うち、あんたにおうて、この人なら家族になれる思た。このままでいいやん。うちらと一緒にやってこうよ」
純化はペタロの背中に、頬を当てる。
ペタロの腕が下がってきた。
「純化さん……私はこんな身でありながら、あなたのことが好きになっていました。ですが、あなたは球也さん達と一緒に、神を滅ぼすための旅をしていました。邪魔はしてはいけないと、この気持ちをずっと、内に閉じ込めたままでした……」
ペタロは、思いきって、純化に対する気持ちを打ち明けた。
