
修練の鏡と精霊の大地
第9章 病
「ワラワラはカビが固まった生物。視力はあまりよくありません。だから、目に写る形だけで、餌を判断してます。やつらはカビでありながら肉食。ブチブチがいなくなったら、当然、見た目が変わらない我々を襲うのは当たり前。先ほど、私は村の食品店を見に行きました。高級食材であるブチブチの肉が安価で売られていました。それだけ野生のブチブチが、たくさん狩られている証拠。ずっと同じようにとり続けていれば、ブチブチは間違いなく絶滅します」
村長は腕を組んだ。
「うむ……これはすぐには実行は出来ぬが、ブチブチの生態も把握したうえで、我々で数を殖やすようにしなければならぬ」
村長がそう言うと、ペタロは深々と頭を下げた。
村長は村人に、この場から離れるように指示をすると、ペタロに自分の屋敷に患者を連れて行くように命じた。
「では、さっそくこの者達をわしの家に……」
ペタロはフラフラになりながら、純化と感染者の男の手をとった。
そこに莉子がすっと手を出した。
「私も感染したけど、まだ元気だから。純化の方はまかせて」
ペタロは会釈して、純化の肩を莉子に預けた。
村長は腕を組んだ。
「うむ……これはすぐには実行は出来ぬが、ブチブチの生態も把握したうえで、我々で数を殖やすようにしなければならぬ」
村長がそう言うと、ペタロは深々と頭を下げた。
村長は村人に、この場から離れるように指示をすると、ペタロに自分の屋敷に患者を連れて行くように命じた。
「では、さっそくこの者達をわしの家に……」
ペタロはフラフラになりながら、純化と感染者の男の手をとった。
そこに莉子がすっと手を出した。
「私も感染したけど、まだ元気だから。純化の方はまかせて」
ペタロは会釈して、純化の肩を莉子に預けた。
