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彼女と妹

第17章 綾子と先生(その6)


「もうすぐ来客がある。君はここで大人しくしてなさい。適当に冷蔵庫のもの、飲んでいいから。お酒以外はね」


理事長は元のスーツ姿に戻った後、涙で滲んだ私の目尻をそっと拭って、隣の理事長室へと消えていった。


暫くボーッと宙を見つめていた。


あの日、隼人の部屋に行ったとき、あのときを最後にサヨナラ言うつもりだった。


七海ちゃんが覗いていて、何か変な感じになっちゃったけど、あの時言っとけばよかった。


隼人にとってこんなサヨナラなんて、酷すぎるよね。

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