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狼くんを飼いますけど…

第3章 同居者


なんで、どうしてだと口々に言われる中、店長の烏丸がそれに賛同し警察はナシとなった。

バラバラと帰っていく店員たち、ポツンと残される無銭飲食の若者。



イケメンとあらば当然 男。



私は烏丸にランチ代、1500円を渡した。




「 しょうがないよな、腹が減ってて金がないから… ちょっと あんた、南部ちゃんに感謝しなさい 」



コクっと頷く若者に、私は声をかけた。




「 ねぇ、外で待っててくれない?」

「 …? 」

「 いいから、恩人の言う事 聞いてもらうよ?」




コクコクと頷く若者をあとに、私は裏へ行き着替え、外に出ようとして烏丸に呼び止められた。




「 南部ちゃん、はい、お金 」



え…



「 店長?」



1500円… さっきのランチ代?




「 あんたも生活あるんだから、店のおごりでいいの。だから返金 」



店長… 優しすぎるよ。




「 じゃあ、遠慮なく…」

「 それにしても 困ったよな、あのホームレス? 無銭飲食するくらいだから 仕事もないんだろうね… ちょっと 小汚ないけど 雇おうか、しばらくは雑用でいいし 」




なんて人間味あるの、店長…

ますます感動だよ。




「 じゃあ、私が話しましょうか?」

「 だな、俺だと逃げそうだし。任せる 」



はい と返事して私は外に出た。

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