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第23章 幻想ポロネーズ

「今泉さんは?」

「あたしは、医大に進みたいと思っているの。」

「お父様がお医者さんなんでしょう?同じ科のお医者さんになるの?」

「いいえ…あたしは小児科の医者になりたいの。」

あたし達とピアノを教えたピアノ科の大学教授やスタッフなどが、ぞろぞろとタクシー乗り場へと向かった。

「今日はね、あの子が賞を取らなくてもお祝いしようと思っていたの。華さんは、私と一緒にタクシーへ乗りましょう♪お母様には連絡しておきましたからね。」

真啓ママがあたしに声を掛けてきた。

「はい♪」

あたしの先を歩く、真啓と美咲、そして美咲のパパが3人でタクシーへと乗り込んだ。あたしは真啓ママとその後を追いかけた。車の中で真啓と美咲が楽しそうに話しているのが見えた。

「華さん…手紙どうもありがとうね。」

真啓ママは優しくあたしに言った。

「いつも緊張するあの子がね、手紙を見たら笑ってたのよ。今までで最高の出来だった。あんな楽しそうにピアノを弾いてる真啓さんを見るのは久しぶりだったわ。本当にありがとう。」

あたしは真啓の役に少しは立てたと思うと嬉しかった。血のにじむような努力を真啓が重ねたからだけど、お手伝いが出来たと思えたら嬉しかった。

「わたしもね小さな頃、ピアノの下で音を聞くのが好きだったのよ?奇遇よね。」

真啓ママは優しい笑顔を浮かべた。

「はい♪」

真啓ママの子供時代のことや真啓が小さかった時のことを教えてくれた。

「華さんは真啓さんとお付き合いをされてるんでしょう?」

真啓ママが突然あたしに聞いたので慌てた。

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