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第15章 夏休みとそれぞれの想い

「うーん…。」

あの時のあたしは、チョコを真啓にあげられて良かった…ってホッとした気分が大半を占めていた。

「真啓はモテるなぁ~って思ってた。」

「それで?」

「今日渡せなかったらどーしよーと焦ってた。」

「うんうん。何で焦ってたの?」

リツは身体を乗り出してきた。

…ちょ…近いよ。

リツの顔があたしの眼の前に来た。

「だっていっつもお世話になってるし…。」

「…なってるし?」

「なんかあげないと悪いかなぁと思って。」

リツがあーっと声を出して仰向けにひっくり返った…けど、再びあたしの傍に戻って来た。

「…じゃぁさ、友チョコってこと?あたしにくれたチョコと、真啓くんにあげたチョコは同じぐらいの重要性だったってこと?」

…重要性って…言われても。

「うーん。上手く言えないけど、夏と同じ感じかなぁ。居て当たり前っていうか…。」

「華さん。質問を変えます。夏くんと真啓くんが溺れていました。どちらか一方しか助けられません。華さんはどちらを助けにいきますか?」

「それってたとえ話?だってふたりとも泳げるじゃん。」

どう考えてみても完全にあたしがふたりに助けられる方だ。

「あ゛ぁぁぁぁー!!」

リツが激しく身もだえた。

「華さん…もしかして、あなたはいつも目を開けたまま、寝ていらっしゃるの?」

「何よそれっ!起きてるじゃない。どーゆー意味よ!」

あたしは、リツの顔に枕を投げつけた。

「こりゃ…時間が掛かるぞ…っと。」

今度は、リツがあたしの顔に枕を投げた。ふたりできゃぁきゃぁ言いながら夜遅くまで色んな事を話した。気が付くとさっきまで話をしていたリツは、すやすやと寝息を立てていた。

…好きな人。

ユウヤのことが突然浮かんできた。

…助けてくれたから?

あたしはブランケットを肩まで引き上げて目を閉じた。
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