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第14章 ファースト・ダンス

「今度から華には直接チケットを送ろうと思っています。」

「あら♪それは良かったわ。お父様に頼むのも申し訳ないと思ってたのよ。」

俺の肩をバシバシと叩いた。

「あたたっ。痛ぇ。」

…これは…遺伝だな。

「夏にはぜひ、葉山の家にいらっしゃいね。」

春は、俺に住所と電話番号を書いてくれた。

「それから、暫く華さんのところに私は、おりますからぜひ遊びに来て下さいね。それにしても華さんの喧嘩相手のザ・シャードがあなただったなんて…。」

春はそう言ってクスクスと笑った。華は、春と毎日のようにメールのやり取りや電話をしているらしい。

…あいつめ…俺に変なあだ名つけやがって。

アイツがこちらに向かって歩いて来た。

「春さんとユウヤ、ふたりでコソコソと何を話してたの?」

どうやら華はお腹がいっぱいになって落ち着いたらしい。

…差し入れしにきたのに、お前が食べてどーする?!

「華にチケットを直接、送って貰うようにお願いしてたところ。」

「嫌だ…春さん。ユウヤにあったばかりでしょう?」

華は驚いた顔をした。

「こういうことはね、最初が肝心なの♪でもね、さっきも言った通り、この子外出禁止だから…でも私とならトーコも何も言えないから♪勿論チケット代は、きちんとお支払いするわ。」

ちょっと春さんそれは流石に…と華が言った。

「ええ…良いですよ。判りました。今度は華に送ります。」

華がとても嬉しそうな顔をしていた。

「さぁ。華さんそろそろお暇しましょう。ユウヤさんはまだお仕事があるでしょうし、トーコが心配するわ。」
春が時計を見た。

「大丈夫、春さんと一緒だって言った時点でママは心配してるから。」

そして華は、俺に無防備なハグをしてきた。

「あ…仮にも俺は、知らない他人なのに…。」

こいつの人懐っこさにも呆れた。

「ううん…ユウヤは、命の恩人でしょう?もう他人じゃ無いわ。」

無邪気な華の顔を間近に見て、俺は何故か胸がドキドキした。

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