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第12章 悪い子の勧め

――― 期末テスト前。

「華ちゃん。今週末忙しい?」

真啓が帰り際にやって来た。

「どうして?」

「空くんが、華ちゃんが週末暇してるみたいだって言うから。夏も誘ったんだけど、家に来て一緒に勉強しない?」

「でも…今は外出禁止なんだ。」

あたしは憂鬱だった。こんな時に限って、リツがクラスの皆で図書館へ行こうなどと話していたからだ。

「そっか…じゃあ夏のお父さんにメールで聞いてみるよ。」

「うん。」

…何も聞かないところを見ると、おしゃべり夏が話したのかも知れない。

――― 夕食。

おしゃべりなダディとママが話すだけで、あたしも夏もそしてパパも静かに聞いて居た。いつもなら、そのおしゃべりにあたしが加わるんだけど、あたしはあれ以来、必要最低限のことしか口を聞かない。

「明後日、真啓のところへテスト勉強をしに行くんだ。」

夏が皆に言いながらあたしをちらりとみた。

「華も一緒に…」「いけません。華は、無期限の外出禁止です。」

夏が言い終わらないうちにママが言った。

「無期限なんて…じゃぁいつまで我慢したら良いのよ?」

あたしは思わず文句を言った。

「あなたはその前に、何か言わなきゃいけないことがあるんじゃない?」

ダディがあたしの眼をじっと見た。判ってるパパとママに謝れって言ってるんだ。

「あたしもいう事があるの。あたしもう良い子は止めたの。」

あたしは、席を立とうとした。

「華…座りなさい。」

ダディが厳しい口調で言った。

「僕たちは、家族だよ。ガクさんは、華と夏のお父さんで僕もそうだ。生まれた時からずっと一緒に暮らしてきたんだよ。」

「僕たちが小さかった時、パパが居ない時があったけどね。」

夏が口を挟んだ。

「夏…黙って聞きなさい。」

ダディは有無を言わせなかった。

「誰がなんと言おうと僕たちは家族です。普通の形じゃないかも知れないし、そのことで悲しい想いや辛い思いをさせちゃったよね?華が言ったように完全に僕たちの都合だよ。婚姻にはそぐわない関係だけど、それでも僕たちはお互いを大切に思っている。」

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