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第3章 急展開……

『正解です。たの字が抜けて別の意味になったものばかり。たが抜けて、タヌキ。可愛い〜い、問題だったねぇ。あ、画面に私が映ってるかなぁ?』


 画面の中で、純化は受話器を片手に手を振りながら話している。


「ふざけてないで、脱出するためのヒントをくれ」


『はいはい、あわてないで。先に注文聞くわ、何がほしいの?』


「コーヒーをひとつだ」


『はーい。受け付けました。じゃあ、ヒントね。隣の部屋から、テーブルをこちらに移動させたら何かが現れる。まず、それだけ。後はコーヒーが来てからね』


 そう言うと、通話と画面が切れた。


 純化の口から出たヒントは、すでに答えとして出ていた。


「それ、トイレだろ。もう、出てるし……」


 下里はため息をつくと、テーブルに顔を俯せた。まさか、ヒントの先を越してしまったとは……。


 松がゆっくりと立ち上がる。


「コーヒーだけだと、出来上がるのに時間かからないでしょう。さっそく隣に立ってますよ」


 表情はやや不安げだが、目は本気と書いてマジだった。



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