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BOXルーム

第10章 いざ脱出

 強く叩く様な音がした。力を入れず、かなりスムーズに上に開いた。


「むっちゃすんなり開きましたよ!?」


 あまりの手応えの無さに驚くホルモン王子。


「一人でも開いたわよきっと。そんな力入れてないし」と、ピイコも驚いていた。


 そこには、黒の鉄の壁が現れ、茶色いドアが見える。


「ここから出られるのか……わかってたらすぐ逃げれたんだよな」


 しみじみとドアを見つめ、ホルモン王子はドアを開ける。ドアは引き戸でカラカラカラっと音をたてて開いた。


「やっと出られますね」


 のたまんは目に涙を浮かべて言った。


「頑張ったよねぇ、不安だったよねぇ……」


 ピイコも緊張が解けたのか、同じ様に涙ぐむ。次第に力が抜けたのか、膝から崩れ落ち、ペタリと座り込んでしまった。


「ちょっと……まだこの先出られるかどうか分かんないんだよ! しっかりしようよ」



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