LIFE
第11章 見つめていたい〜eyes〜
毎日、毎日。
放課後の僕の大事なひととき。
今日はすごい収穫があった。
移動教室で視聴覚室へ向かう途中にあの人が前から歩いてきた。
わー。
キラキラー。
僕の片思いフィルターでこんなキラキラしてるの?
ジッと見てしまいそうになって慌てて視線を廊下の先へと移す。
すれ違う瞬間にすごくいい匂いがした。
なにか付けてるのかな?
そのほのかに香る匂いにうっとりしそうになる。
連れ立って歩く人があの人の名前を口にして耳をダンボにした。
「あい……だからなぁ。」
「くふふ。」
あい…
あーあ。
聞き取れない。
ざんねん…と思ってたら小走りであの人たちを追いかけてきた人があの人の肩を叩きながらじゃれ合い始めた。
「あいば!
待ってって言ったじゃん!」
チラッと振り向いて確認すると笑顔のあの人が見えた。
あいば…
あいばさんっていうんだ。
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