大切な人へ ~second story~
第7章 見ちゃった
帰り際に言われた
「美優ちゃんは強いね。泣いたりするかと思った」
本当だ...
私泣いてなかった
でもショックだったのは確かなの
重なった唇も
その後の...
嬉しそうな顔も...
井川くんはあの人の事が好きなの?
私の事はもう好きじゃなくなっちゃった?
嫌われる心当たりはありすぎて...
どうしても責める気にはなれないよ
だってずっとこんな気持ちだったんでしょ...?
ごめんね...井川くん
ごめん...
私はこの時初めて涙がこぼれた
もう長い長い夏休みがくる
私の手帳には井川くんとの約束は何もない
前に書き込まれた約束も
結局近くなって断られちゃったし
バイト頑張って休みいれてもらったのにな
うまくいって...なかったんだね
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