大切な人へ ~second story~
第5章 わからない
でも不思議...
すごく悩んで苦しんだのに
どうして先生の隣にいるとほっとするんだろう
その声を聞くと落ち着いて話せるんだろう...
2人で話すのはもうつらいんだろうなって
思ってたのに...
その1つだけわかる理由は
彼も私に笑ってくれるから
「化粧するようになったんだね」
運転中に前をむいたまま言った
『はい。大学でできた友達に教えてもらいました』
詩織は私に似合うと思うよって色々教えてくれたの
綺麗ではっきりとした目鼻立ちの詩織とは違う
私らしいシンプルなメイク
「似合ってる
これからも綺麗になっていくんだろうな」
視線を変えずに微笑む彼に心臓が高鳴る
さっきまでの心地よい振動が一変してしまった...
これもいつもそうだった
彼の言葉や動きすべてに一喜一憂してたな
結局そう言ってくれたことに返事できないまま
目的の場所についてしまった...
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