
大切な人へ
第6章 夏休み
ガラ…
その音は準備室から聞こえた
『先生!』
久しぶりに会えた嬉しさで顔が緩む…
「__あぁ…来てたんだ ごめん」
ん?少しの間に違和感があったが首をふる
『月…すごく綺麗ですよ』
「うん…本当だ」
『職員室に電気点いてましたけど
私入ってても大丈夫ですか?』
「もう誰もいないよ。真っ暗だったら
藍野さん怖いかなと思って」
『ふふっ はい。ちょっと怖かったです。
夜の学校って。ありがとうございます』
こんな話しをしていても先生はずっと
空を見上げていた もう少し見てほしかったな…
「…行こうか」 『え?』
先生がそう言って教室を出ていくので追いかける
『どこ行くんですか?』
「花火が見えるいいところ」
見上げた私に極上の笑顔が降ってきた
暗くてよかった…私真っ赤だろうな…
彼は職員室に電気を消しに寄って
ペットボトルのお茶をハイっと渡してくれる
ドキドキ連発でついていけない!
向かってるのは私の教室もある南校舎の上だそう
先生は足が早い
頑張ってついて行くが息が切れてくる…
5階まで来てふぅふぅ言ってるのは私だけだ
「大丈夫? 笑」
恥ずかしい…
先生本当に8こも上なの?
