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大切な人へ

第52章 新しい朝


『初めての授業⁉
何かあった?全然覚えてない!』

驚く私にふっと笑った


「多分そういうところが好きだったんだ。
少し早く教室に着いちゃってね
早めに入るのも悪いから廊下から中を見てた。

そしたら時間を気にしてる美優が
前の授業の黒板を消し始めたんだ」

私は全然記憶になくって
晄人さんの方を見て聞いていた

「もうすぐ消し終わるころチャイムが鳴って
俺を見つけた美優が声をかけてくれたんだよ?

失礼しました。どうぞって

すごく優しい笑顔で言ったんだ
そしたら美優はその日の日直でもなかった」

「いい子だなって思ったし嬉しかった
授業も真面目に聞いてくれるし

毎回あいさつも笑顔でしてくれるのが嬉しかった」


「俺も体育祭の時の事はぼんやりとしか覚えてない
でもその時笑ってたのは美優が笑顔だったからだと思う

俺もいつも思ってた気がする。
美優に笑って欲しいなって...」


初めて聞けた話だった

全然知らなかったよ


彼はその話をしながらも

嬉しそうに私の頭を撫でてた

愛おしい人を見るような優しい目で___



「俺が笑えるのは美優が笑ってくれるからだよ」




私もだよ晄人さん...

そう言ってくれるなら私は

ずっとずっとあなたのそばにいたいです




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