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大切な人へ

第5章 終業式


私は告白が苦手だ_______



初めて告白を受けたのは小6の時。
相手はずっと仲が良かった男の子。

よく2人で遊んでいた。私がすぐ転ぶからと
よく手を繋いでくれた


「好き‼」


ただその一言だけの告白。
私も彼が大好きだったから嬉しかったの…



ありがとう という返事は
OKという意味になっていたようで

翌日からは歩いていても手を繋ぐようになり、
彼が嬉しそうに赤くなっていることにも
ようやく気付きだした。



彼と私の好きは、違うものだった…
私の心はずっと友達の時の
高鳴ることのないままだった。

私にはまだ恋愛が分かっていなかった…



罪悪感が日に日に大きくなり
私は彼に本当の事を言って謝った。



その時の…
彼の悲しみに満ちた顔が忘れられない
大好きな人を私は苦しめた



「わかってたよ…いつか好きに
なってくれたらいいなって思ってた」


今にも溢れ落ちそうな瞳で
にっこり笑ってくれた。大丈夫だよって…




翌日から普通に接してくれた優しい彼。
でももう私たちの手は繋がらない

私の罪悪感は消えることのないまま
中学は別々になり、疎遠になってしまった。


「ミユちゃん」
『ショウちゃん』


毎日笑顔で交わされていた名前

私は大好きだった友達を失った______


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