大切な人へ
第29章 何があったの?
「上田くんはね?私の事好きって言ってくれるけど
キスもエッチも手を繋ぐのも遊びにいくのも...
全部私から誘ってきたの」
何かが決壊したように話し出す...
「ずっとそうだったから...わからなくなってきちゃって
浮気してるとか言ったら嫉妬してくれるかなって...
上田くんから抱きしめてもらえるかなって思った」
そう話す紗羅の目には涙がたまっていた
「でも嘘ついてから上田くんがもっと遠くなった...
手を繋いでも自然に離したり、キスを避けられたり
...嫌われちゃったのかな。またふられるのかな...」
小さな肩が震えてる...
私はその肩をぎゅっと抱きしめた
『紗羅は別れたいって思ってないんだよね?』
「うん...いやだ」
『じゃ本当の事言おう?嘘ついてごめんって...
上田くんから愛されたかったって。一緒にいくよ?』
「許してくれるかな...こわいよ」
『大丈夫。上田くんは紗羅の事大好きだよ?
大丈夫だから...』
泣いてる紗羅を抱きしめてポンポンって
背中をなでてあげた。
井川くんが私にしてくれたみたいに...
安心するでしょ?大丈夫だよ...
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