
大切な人へ
第4章 約束
試験が終わり次々と返却されてくる
元々成績は悪い方じゃないけど
今回は特にどれも良かった!
いつもよりも気合いが違っていたから
科学の授業になりポーカーフェイスの先生が
「試験返していきます。井川…」
いつもの調子で淡々としている
「藍野さん…」
やった‼98点‼ 思わず彼を見上げてしまった
「_______植野さん…」
彼はまた次の子を呼んでいった
一瞬目が合った…
先生 笑ってくれた?…気がする‼
やばい_______ニヤけちゃう‼
「何 そんな良かったの?」
緩んだ顔をテストで隠していたら
横から井川くんが聞いてきた
『あっうん!頑張ったんだ~』
ニコニコと見せると彼はフリーズしている
なんとなく流れで聞いてみた
『井川くんはどうだったの?』
「…それ聞いちゃう?」
『ごめん 聞かない』
良くなかったことは明らかだ。
落胆する彼が少しおかしくて笑ってしまう
