大切な人へ
第1章 はじまり
『先生っ』
職員室の入口で呼ぶとこちらを向いて
軽く手を上げる人は鈴木先生
「すぐ行く!そこで待ってて」
トクン…
笑顔でそぅ言った先生と目が合うと
一瞬で顔が熱くなる…
返事もろくにせず コクンと頷いて
廊下に出た
放課後のこの北校舎は生徒も少なくて
廊下で待っていてもあまり人の目が気にならない
でも 赤くなった顔をなんとかしたくて
手の甲で頬を冷やそうとする
「ごめん お待たせ!」
普段は丈が長い白衣を私服の上に
着ているけど授業が終わってるからか
放課後に勉強を見てもらう時はいつも私服だけ
それが少し特別な気がして…嬉しい
並んで廊下を歩いていく
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