ただあなただけを見つめる
第19章 汚れたカラダ
「夏帆、元気にしてたかい?」
「あは……まあ。」
クリスマスモードの町を私は園長先生と二人で歩いていた。
逃げたいのに怖くて苦笑いするのが精一杯。
そして気のせいか…
どんどん人気(ひとけ)のない場所に向かっているような気がした。
「それはなんだい?」
何とか会話を切り出そうとしてるのか、園長先生が私の手の中の紙袋を指差した。
…暁のプレゼント
「……プレゼントです。」
「ほぉ。もしかして男か。」
「園長先生には関係ないですから…。私、もう帰ります。」
そう言って逃げようとしたが、園長先生がそれを阻止した。
「戻って来ないか。」
「……!?」
―――戻る?
施設に?
とんでもない!!
「君を愛しているんだ。」
しわくちゃの園長先生の手が私の手首をしっかりと掴む。
愛してるって……
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える