ただあなただけを見つめる
第9章 ひまわり
何とかバイト(っていうか店番)にも慣れ、
私はそれなりに楽しい生活を送っていた。
「夏帆ー、帰ろ。」
「はいはい。」
時計を見ると17時。
暁が迎えに来る時間だ。
私は旭さんのいる部屋に顔を覗かせる。
「旭さん、暁来た。」
「あー、はいはい。
待っててすぐ行く。」
小さなシルバーの何かを加工しながら旭さんはそう言う。
旭さんとはどんどん仲良くなり、今ではタメ口で話している仲だ。
「バイト楽しいか?」
「うん。
旭さん優しいし、楽しいよ。
暁も旭さんを見習いなよね。」
「………。」
「暁、こないだ言ってたピアスなんだけどさ。」
旭さんが真ん中に割って入ってくる。
「あ…あぁ…何?」
「ほら、お前が頼んでたピアス、作ってみたんだけど…」
二人はピアスがなんたらで、また奥の部屋に行ってしまった。
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