ただあなただけを見つめる
第4章 過去
―――――……
「だからね、一人でこうして生きてんの。」
私は話し終わると膝をかかえて視線をテレビに戻した。
朝っぱらから何語っちゃってんだか(笑)
「夏帆?」
「ん?」
「泣いてる?」
「……!!」
慌てて頬に手を当てると濡れているのがわかった。
え。何で私、泣いてんの?
意味わかんないんだけど…。
「夏帆…」
「あ………」
気づけば暁に抱きしめられてる自分がいた。
「ちょ、ちょっとなぁに?」
「…泣けよ。我慢すんな。」
「はぁ?泣かないよ。
……てか暑いから!」
私はそう言いながら暁を見上げた。
暁は悲しそうな目をしていてドキリとする。
今までこんな目で私を見た人は初めてだった。
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える