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異彩ノ雫

第281章  三ノ月 Ⅲ ②




飛び乗った列車は

海沿いを岬へ向かう各駅停車

はずむ息のまま眺める景色が

菜の花色に染まり

過ぎてゆく



なびく髪にからまる潮の香りと

広がる水面を見つめる瞳



薔薇色に染まる頬が眩しくて

繋いだままの君の手を

そっと引き寄せ 目を閉じる







【菜の花】



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