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異彩ノ雫

第276章  二ノ月 Ⅲ ②




ひたひたと

桟橋をたたく波音に

胸の鼓動が重なり響く

まるで

眠りに就いた記憶を揺り起こすように



ただ 海を見たかっただけなのに

水面にそそぐ

雨を見ているだけなのに…



春まだ遠い海辺の午後は

空の流した涙に濡れるばかり







【桟橋】




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