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異彩ノ雫

第196章  四ノ月 Ⅱ ③




物憂い春の昼下がり
頬杖もそのままに
何となく
あなたの名前を記していた

真新しいページにすみれ色のインク…

まるで あなたが微笑むようで
甘やかな疼きの高まるままに
いくつも いくつも書き続け…

ふいに
頬をすべる雫がひとつ

文字を切なく滲ませる







【インク】


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