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異彩ノ雫

第180章  二ノ月 Ⅱ ④




たたずむ背中は
季節はずれの雪と見紛うようで…

そんな幻めいた彼との出会い

シャイで 誇り高く
ひそやかに優しい彼

金色の物憂い眼差しは
虚空に何を見ていたのだろう

近付けば踵を返し
知らぬ素振りには 拗ねる彼

しなやかな足取りは
どこまでも自由だった



小雪舞う朝
しきりに彼が想われる…







【白猫】


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