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異彩ノ雫

第144章  十ノ月 Ⅱ ④




硝子を叩く雨音に

あなたの声が聞こえたようで

窓辺に駆け寄れば

闇を白ませ

雨のひたすらに降るばかり



届くはずもない指を

夜の中に差し伸ばしては

吹き込む滴に睫毛は濡れる



轟く風は

遠いあなたを恋しくさせて…







【夜嵐】


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