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異彩ノ雫

第133章  九ノ月 Ⅱ ③




薄墨を流した夜に

ふと 口ずさむ恋歌は

還らぬ時のわすれ形見

遥かな人の面影慕う



思い出せない一節は

言い出しかねた言葉にも似て…



星の見えない空の下

いつしか頬も濡れてゆく







【恋歌】


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