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異彩ノ雫

第34章  十ノ月 ②




風が湖をわたる…



水面に映る山影が

ひとしきり揺らぎ

さざ波が小舟の底を幾度か叩く



高響く鳥の声

ざわめく秋草

心が乱れる



ひとり 水辺に立ちながら

忘れ得ぬ面影を虚空に描く…







【湖畔】


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