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第2章 近づく距離

「二宮さん?にの?にのちゃん?」

「なに?」

どれで呼ぶのがしっくりくるか呼んでみた。

「にのちゃん。」

二宮さん…が呼びやすいけど。
あえて…の、にのちゃん呼び。

俺は二宮さんの手を握る。

「多分…さっき、にのちゃんが言ったように俺もにのちゃんの方が好き。
にのちゃんの方が…っていうのがなんかよくないね。優劣?順番?みたいで。」

「…そうだね。」

「そういうことじゃないんだ。」

「わかる。俺もそうだから。」

「ちゃんと考えてみる。自分の気持ちに向き合ってみる。」

「いいって。そんな。」

「なにがいいの?」

ちょっとムカッとしてキツく問う。

“我慢する”

も、そうだけど。
なにかを我慢してる。

最初から諦めてる?

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