天然執事はいかがです?
第6章 価値と気持ち
私はマスクにフードを被り、あまり人と擦れ違わないように、保健室に向かった。
舞弥は自分と私の分のお弁当を取りに、教室に行った。
「あら、篠原さんどうしたのその目!!」
保健の国分先生は驚きのあまり、口がOの形になった。
「いや…ちょっと……
泣きすぎたらこうなっちゃって……」
「そうなの?じゃあ冷やしたタオル用意するわね」
私は先生が用意してくれた冷たく濡れたタオルを目にあてがった。
ひんやりとしていて気持ちがいい。
ガラガラと扉が開き、舞弥が気の抜いた挨拶で入ってきた。
舞弥が持ってきたお弁当を食べ、私は早退することになった。
とゆーか、早退することにした。
なんとか先生にねだったのだ。
程無くしてアルトさんが屋敷の車で迎えに来てくれた。
何て声を掛けたらいいかわからなかった。
アルトさんは運転席から降り、私のために助手席側のドアを開いた。
だが私の顔を見た途端に
「ブッ」
笑いやがったよ、この人。
「も、申し訳ございませんッ
ですが、あまりにも…フフ」
あまりにもひどい顔だって言いたいんかッ!!!
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