天然執事はいかがです?
第4章 意識の相違
翌朝
キンチョーのあまり、私は誰にも起こされずに起きた。
けど寝起きの悪さはいつも以上に酷かったようで……
私の側にいたアルトさんは5分後に私を起こそうと、もうそこにいたのだ。
でも昨日会ったばかりじゃ私は覚えられない。
「んぁ…朝……?」
「おはようございます、菜月おじょ…」
「ぎゃぁぁぁぁああ!!!!」
知らない奴と思い込んでしまい、アルトさんに目潰しをしてしまった……
アルトさんは顔を両手で覆い、シクシク泣いているような音がしてくる。
「あぁぁ…ごめんアルトさん!!」
「だいじょ…ぶです、よ……」
うっすら目尻に涙を浮かべながら、アルトさんは笑ってみせた。
それがもっと私の心を痛め付ける。
うぅ…負い目が……
爺やは昨日父さんの所へ出発したので、屋敷にはもういない。
私は動けず、また動かないアルトさんに焦った。
「アルトさん…?」
「はい?」
「着替えるから…そのぉ……」
「はい?」
はい?って……!!!
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