
愛のカタチ
第3章 ON~カウンセラー×生徒~カモフラージュ編~
和「は、ぁ...っ」
智「ふふっ」
俺の身体を撫で、クスッと笑う。
その先生はあまりに大人で、俺は手も足も、口さえ出ない。
智「どの教師も引き出せなかったお前の興味、俺が出してやるね?」
和「は...?」
智「お前が想像したSEX、どんなの?」
和「ん...っ、ふ」
淡々と、息を荒らげる事もなく話す。
俺はその生暖かい舌が触れただけで呼吸の仕方を忘れそうなのに。
和「そ、想像なんて、してな...」
智「したよ。俺の声でドキドキしてたんでしょ?」
俺の頭の中なんて分からないくせに、どうしてそんな事を言い切れるんだ。
智「男と女の普通のヤツ? それとも今みたいな、こんなの...?」
和「っ、ぁ」
智「ふふっ、知らなかった? 男でも胸って気持ちイイんだよ?」
だから想像なんてしてないって言ってるのに。
智「まぁそんな触られる事も無いだろうから、知らなかったのも分かるけど」
和「んん...っ」
智「俺がちゃんと教えてやるね…?」
まさか俺の頭の中が見えてるんだろうか。
想像なんてしてない、そんなものに興味なんて無いと口では言っても、実際はその事でいっぱいなんだ。
和「っ、ふ...」
智「ほら、興味ある事ならイイ顔出来るじゃん」
どんな顔だよ。
先生の顔を見るのも恥ずかしくて、俺はちゃんと目を開けてられないってのに。
智「ちょっと困った顔してるけど、目がキラキラしてるよ...?」
困ってる事は分かるんだ。
智「恥ずかしそうだけど、頬も高揚してるね」
恥ずかしいから、赤くなってんだろうが。
智「どんな教師も、そんな顔はさせられなかったでしょ?」
当たり前だろ。こんな顔どこで見せるってんだ。
智「ふふ、俺だけか。この顔見られるの...」
あまりに恥ずかしくて顔を隠そうとした。
自分の腕を顔の前に持ってきて、巻き付けようとしたんだ。
だけど先生はすぐに俺の腕を取って。
智「隠すんじゃないよ。見たいんだから」
どこか真顔にも見えたその顔を、話しながら柔らかい笑みに変えて。
自分の中を晒け出さない。
隠しながら、俺を見るんだ。
