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愛のカタチ

第2章 NO~サラリーマン×花屋~天使みつけた編~



智をベッドに寝かせ、俺は隣室のソファーで眠る。

すやすやと可愛い寝息を立てる隣の部屋を気にして、何度も起きては智の様子を見に行った。

ちゃんと眠れているだろうか、こっそり泣いてるんじゃないかと、気になって仕方が無かった。


そんな夜も明けて、朝が来て。


朝日の差すベッドに眠る智は、まるで幻想を見ているかの様に綺麗だった。

キラキラの朝日を浴びて、その身体は淡く光っていた。


智「...ん、おはよ」


寝惚け眼を擦る姿もとても愛らしくて。

コイツから光を奪ってしまったんじゃないかと心配してたのに、俺の目が眩む程に光を放っていたんだ。


和「おはよ...」

智「ん? どうしたの?」

和「眩しいんだよ...」


立ち竦み、目を細める俺を見て、智はきょとんとしている。

その姿はガキじゃなく、あどけないんだ。


和「よかった...」

智「なにが」


お前から光が消えなくてよかった。


和「俺、償うから」

智「え?」


お前の傷を、俺に癒させてくれ。


和「だからお前が、泣いていいんだよ」

智「は?」

和「どれだけ怒ってもいいから。そうだ、殴ったっていい」

智「え」

和「ほら、殴って」

智「や、ちょ」


真顔で詰め寄る俺に、智は不思議そうな顔を見せる。


智「なんなの朝っぱらから(笑)」


小首を傾げてニコリと笑いながら俺を見上げるんだ。


和「自分が許せないんだよ」

智「だから殴れって?」

和「俺はお前を傷付けたんだ。殴って済まされる話じゃないって分かってるけど...」

智「もう...」


智は呆れたように溜息を吐いた。


智「しつこい」

和「え」

智「もういいって言ってるでしょ」


俺は自分の犯した罪に苛まれ、全く眠れなかった。

どうやって償おう、どうすれば智に笑顔が戻るんだと、一晩中考えていたんだ。

それを智はたった一言、しつこいと言い放つ。


和「良くないでしょ。俺がどんなにお前を傷付けたか」

智「ばか」

和「は?」


今度はバカと言うんだ。


確かに俺のやった言は馬鹿だ。バカもいいとこ、大馬鹿だ。

だけどコイツはそれとは違う意味の馬鹿を言う。


チロッと見上げた目を凄ませ、可愛く睨みながら言うんだ。






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