
愛は要らないから…
第14章 俺のもの
「どっか行くの?」
いざ部屋を出ると
ちょうど妹と顔を会わせてしまった
「あー…コンビニ…」
「じゃあ、ついでにプリン買ってきて!」
「え、ちょっ!」
「いってら!」
適当に嘘をついてなんとか夜の街へ向かおうとしたのに
妹は部屋に戻ろうと顔だけドアから出して
楽しそうにそう言うと
俺の返事なんか聞かずにバタンとドアが閉まった
これって…
絶対すぐに帰ってこなくちゃいけないやつだよ……な?
俺は諦めてコンビニに寄ってプリンだけ買うと家に帰り
袋ごと品を妹に渡すと
その日は大人しく部屋に戻った
「はぁ…」
ベッドに寝転ぶと同時にため息が出てしまった
体が勝手に覚えてるもんだよ
相手の誘い方とか…
当日まで
やっぱなにもしないでおこうかな
結局
一人じゃん…
どんな関係だって特定の人をつくったら終わり
そばにいたって
縁の切れない近い存在だってダメな時はダメなんだ…
一生一人で割り切って
一生一夜限りの関係ばかり続けてれば
どうなっていたのだろう
楽だったのかな?
