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愛は要らないから…

第13章 溢れる想い




「転校初日
初めて秋くんが俺の目の前に現れたとき
すごくかわいい笑顔を俺に向けて

他の人みたいに
転校生だからってただ面白がったり不思議がって興味もって近づいて来た訳じゃなくて

優しさを持って秋くんは俺に近づいてくれた

俺は秋くんに一目惚れしたんだ
一目見た瞬間好きになった」


「っ……」


いつか荒井から聞いたことがある言葉
やっと決定的な言葉を聞いてしまったんだ……

まだ意味わかんねぇ方がましだったのかもしれない


やだ


怖い




「ねぇ、俺を選んで。
男同士なのは変わらないけど
兄弟ってゆう禁断からは解放してあげられる

誰にも負けないくらい秋くんのこと好」「やめて!!」


好きとか

愛してるとか聞きたくない……


静也と別れたときから
もう恋愛はこりごりなんだ



「本当に兄とも付き合ってなければ好きでもないし

俺はこれからも兄も荒井も
誰も好きにならないし、誰とも付き合わない」


「じゃあ…

あのキスマークはなに?
好きでもないのに抱かれるの?」


俯いた視線の先に影が表れ、顔を上げると
俺の目の前に荒井が立ちはだかっていた


「荒井…?」

「好きじゃなくてもやれるんなら誰でもいいよね?」


「んっ!!」


な…に……
やだ…やだ!

不意に視界は荒井の顔でいっぱいになって
唇に……感触が……

押し退けようとしてもびくともせず
窓際で後ろにもどこにも逃げれない


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