
愛は要らないから…
第9章 恋愛感情
転校生が入ってくると
顔をしっかり見れないまま
それでも特徴を言うなら
一つ目は男子生徒
二つ目は背が低いこと
多分160センチもない
小柄な転校生は黒板と向き合い
自分の名前を書いてゆく
荒井勇太(あらいゆうた)
わざわざふりがなまで丁寧に書くと
振り向いた
「東京から来ました。荒井勇太です。
よろしくお願いします。」
荒井勇太は緊張のきの字も見せず
人懐っこそうな笑顔で挨拶をした
東京からって
めっちゃ都会な所から来たんだな
しかも遠いし。ここ関西だぞ…?
つか、まあまあな顔してる
格好いいよりか、背丈にあったような可愛い感じの顔つきにあの表情だけど
都会人だしすぐ彼女とか出来てモテんだろうな
いや、東京に彼女が既に居たりして?
なんて、ばかみたいなことを考えながら
荒井勇太を見ていた
「席は…とりあえず今日は休んでるとこ座っちゃえ。」
座っちゃえって…
担任の発言で少し教室に笑いがおきた
