
愛は要らないから…
第8章 堕落
「犯人かと思った…今、これ読んでてさ余計ビックリしたよ
てか、おかえり。晩ごはん食べてた?食べてないなら……」
扉を開けた奴は、うつむいたまま立ち尽くしていた
「大和?」
俺は横に漫画を置いて立ち上がろうとすると
やっと大和も中に入って開けっぱなしの扉を閉めた
顔も見せてくれないし
いきなり帰ってくるのはまだいいとして、ただいまくらいあってもいいと思うんだけど…
具合悪い…?
とぼとぼと俺の前まで歩いてくると
顔は見せないまま俺の目線と合わせるようにしゃがんだ
「あ…寝る?温かい飲み物とか淹れよ…っ!んっ」
突然俺の両肩をガッシリ捕まれると
唇が重なった
