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こうするしかなかったんだ

第8章 突撃




壱聖の部屋に戻ると居心地のあまりよくない沈黙が続いてしまって、葉月は焦っていた。

「私…邪魔したらいけないし、そろそろ帰りますね。突然来てしまってすみませんでした」

頭を下げて立ち上がり部屋をあとにした。

トボトボと駅までの道を歩いているけど、朝よりも蝉の声がうるさくて気温も高くなっていて、うんざりしてしまう。

途中で見つけた自販機でジュースを買って一休みして。カバンから携帯出そうとしたけど…なぜか見つからない。

どうしよう!

落としてないとしたら、壱聖の家しかないし。でもあんな感じで出てきたから戻りづらい!

でもなんだかどうでも良くて、立ち上がる気にもならない。

彼氏ができる前は携帯なんてなくても平気だったし。電話かけてくるのは大概お母さんだし。

今日はとことんついてないな。




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